オアハカ(その他表記)Oaxaca

デジタル大辞泉 「オアハカ」の意味・読み・例文・類語

オアハカ(Oaxaca)

メキシコ南部、オアハカ州の都市。同州の州都。マドレデルスル山脈中の標高1540メートルに位置する。16世紀から17世紀に建造されたサントドミンゴ教会ラソレダー教会などの植民地時代の歴史的建造物が残っている。メスカル酒、陶器レボソやタペテなどの織物が有名。1987年、「オアハカ歴史地区とモンテアルバンの古代遺跡」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「オアハカ」の意味・わかりやすい解説

オアハカ
Oaxaca

メキシコ南部,同名州の州都。正称はオアハカ・デ・フアレス。大都市域人口49万5241(2003)。メキシコ市の南約545kmにあり,標高1563m。年平均気温20.6℃,年降水量645mm。オアハカ州は,サポテカをはじめとするインディオの人口がこの国で最も多い地域で,母語のほかにスペイン語をも常用する人を含めると約72万人にのぼる。オアハカ市は,オアハカ谷の伝統的農業地帯の中心地で,工業は小規模な農産加工業に限られるが,色彩豊かなやきもの,サラペ(毛布),レボッソ(肩かけ),金銀細工など,インディオの伝統的工芸品の宝庫である。市周辺には巨大な神殿のたち並ぶモンテ・アルバンや幾何学文様の建築様式で知られるミトラの遺跡に加え,トゥーレのヌマスギ属の巨木などがあり,メキシコ有数の観光地となっている。市は1521年に建設され,サント・ドミンゴ教会などの貴重な文化財やコロニアル様式の建築物を今に残す美しい町である。インディオ出身の大統領,ベニト・フアレスとポルフィリオ・ディアス出生地
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百科事典マイペディア 「オアハカ」の意味・わかりやすい解説

オアハカ

メキシコ南部,同名州の州都。オアハカ州はサポテコ,ミシュテコなどのインディオ人口が同国でもっとも多い地域。1521年に建設され,インディオのキリスト教化の中心で,コチニール染料,綿織物などで栄えた。現在はサント・ドミンゴ教会(1570年)をはじめとする植民地時代の建造物,インディオの伝統的工芸品,ゲラゲッツアの祭り,近くのモンテ・アルバン,ミトラなどの遺跡などによってメキシコ有数の観光地。B.フアレス,P.ディアス大統領の出生地。オアハカ歴史地区とモンテ・アルバン古代遺跡は1987年,世界文化遺産に登録。25万5029人(2010)。
→関連項目オルメカ文化

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オアハカ」の意味・わかりやすい解説

オアハカ
Oaxaca

正式名称はオアハカデフアレス Oaxaca de Juáres。メキシコ南部,オアハカ州の州都。メキシコシティー南東約 400km,南マドレ山脈東部山中の肥沃なオアハカ盆地にあり,標高約 1660m。アステカ民族の駐屯地として 1486年建設され,1521年スペイン人に征服された。メキシコ独立戦争やメキシコ革命に際してはしばしば戦場となり,また侵略,占領されるなど,メキシコ史において重要な役割を果たした。メキシコ南部の主要都市で,周辺の農業・鉱業地帯の中心地として農産物,鉱産物集散,加工を行なうほか,陶器,金・銀細工,毛織物などの民芸品の生産が盛ん。植民地時代の面影をとどめる旧市街の美しい町並みは,近郊のモンテアルバン遺跡とともに,1987年世界遺産の文化遺産に登録。元メキシコ大統領 P.ディアスの生地で,B.フアレスも市の近郊の出身。 1827年創立のオアハカ師範学校は 1955年改組され,オアハカ・ベニトフアレス大学と命名された。パンアメリカン・ハイウェー,鉄道,空路でメキシコシティーと連絡。人口 21万 2943 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オアハカ」の意味・わかりやすい解説

オアハカ
おあはか
Oaxaca

メキシコ南部、オアハカ州の州都。マドレ・デル・スル山脈中のアトヤック川河岸の標高1540メートルに位置する。人口25万1846(2000)。温和な気候に恵まれた観光の町で、16世紀に建設されたサント・ドミンゴ教会、ソレダドの聖堂などがある。名産としてはメスカル酒、黒壺(つぼ)、サラッペ、ケシージョ料理が有名。西方4キロメートルに6世紀から11世紀のサポテカ人の都市モンテ・アルバンの遺跡があり、広場や石の浮彫りが残っている。この遺跡は1987年にオアハカの歴史地区とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。郊外にトーレの大木、南東37キロメートルにミトラの遺跡もある。

[高木秀樹]

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世界大百科事典(旧版)内のオアハカの言及

【灌漑】より

…したがって,メソアメリカやアンデスなど,文明の発達したところでは,食糧生産を大きくするために,いろいろな方法が試みられ,人工的に水を畑に供給することもその一つであったといった方がよい。 メソアメリカのオアハカ地方は,比較的雨の少ないところであるが,地下水位の高い部分では,畑のあちこちに小さな井戸を掘り,容器で水をくみあげて,株ごとに散水する。この井戸灌漑方式は,少なくとも前1000年ころにさかのぼると考えられている。…

※「オアハカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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