オアハカ(読み)おあはか(英語表記)Oaxaca

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オアハカ」の意味・わかりやすい解説

オアハカ
Oaxaca

正式名称はオアハカフアレス Oaxaca de Juáres。メキシコ南部,オアハカ州の州都。メキシコシティーの南東約 400km,南マドレ山脈東部山中の肥沃なオアハカ盆地にあり,標高約 1660m。アステカ民族の駐屯地として 1486年建設され,1521年スペイン人に征服された。メキシコ独立戦争やメキシコ革命に際してはしばしば戦場となり,また侵略,占領されるなど,メキシコ史において重要な役割を果たした。メキシコ南部の主要都市で,周辺の農業・鉱業地帯の中心地として農産物,鉱産物集散,加工を行なうほか,陶器,金・銀細工,毛織物などの民芸品の生産が盛ん。植民地時代の面影をとどめる旧市街の美しい町並みは,近郊のモンテアルバン遺跡とともに,1987年世界遺産の文化遺産に登録。元メキシコ大統領 P.ディアスの生地で,B.フアレスも市の近郊の出身。 1827年創立のオアハカ師範学校は 1955年改組され,オアハカ・ベニトフアレス大学と命名された。パンアメリカン・ハイウェー,鉄道,空路でメキシコシティーと連絡。人口 21万 2943 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オアハカ」の意味・わかりやすい解説

オアハカ
おあはか
Oaxaca

メキシコ南部、オアハカ州の州都。マドレ・デル・スル山脈中のアトヤック川河岸の標高1540メートルに位置する。人口25万1846(2000)。温和な気候に恵まれた観光の町で、16世紀に建設されたサント・ドミンゴ教会、ソレダドの聖堂などがある。名産としてはメスカル酒、黒壺(つぼ)、サラッペ、ケシージョ料理が有名。西方4キロメートルに6世紀から11世紀のサポテカ人の都市モンテ・アルバンの遺跡があり、広場や石の浮彫りが残っている。この遺跡は1987年にオアハカの歴史地区とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。郊外にトーレの大木、南東37キロメートルにミトラの遺跡もある。

[高木秀樹]

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