さらり(読み)サラリ

デジタル大辞泉 「さらり」の意味・読み・例文・類語

さらり

[副]
湿り気粘り気がなく、さわやかなさま。さらっ。「さらりとした布地
物事にこだわらず、思いきりのよいさま。また、性格淡白であるさま。さっぱり。「さらりと水に流す」「さらりとした性格」
軽快に、滞りなく行われるさま。「さらりと身をかわす」
物がすれ合って出す音を表す語。さらさら。
たもとが畳に―と敷く音」〈鏡花婦系図
[類語]瀟洒しょうしゃ清楚楚楚垢抜け灰汁あく抜け洗練気さくこざっぱりすっきり洒落る小洒落た垢抜けるさばけるスマートシック

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「さらり」の意味・読み・例文・類語

さらり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. さらさらと軽く音のするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「錚々然とは、軽い声の金音(かなをと)などのさらりとするやうに涼しき声を云」(出典:宣賢自筆本長恨歌琵琶行抄(1540頃))
  3. 物に湿りけや粘りけがなくて、手ざわりがさっぱりとしているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「壺 かたつき〈略〉土薄墨也。さらりと候」(出典:宗達茶湯日記(他会記)‐天文一八年(1549)正月六日)
  4. 人の態度・性格ややり方に気負いやくどさがなくてさっぱりしているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「気だて、しゃんしゃんと、さらりとして、よし」(出典:評判記・満散利久佐(1656)小藤)
  5. 物事をとどこおりなく一気にするさま、特に、迷いやためらいのないさまを表わす語。すらすら。すらり。何気なく。
    1. [初出の実例]「指事(さしごと)の序より歌こと、少な少なと、さらりと、謡うべし」(出典:三道(1423))
  6. 残るところのないさまを表わす語。きれいさっぱり。残らず。
    1. [初出の実例]「其入間様を此川へさらりと流て、真実をおしゃれと云に」(出典:虎寛本狂言・入間川(室町末‐近世初))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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