スマート(読み)すまーと(英語表記)Christopher Smart

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スマート」の意味・わかりやすい解説

スマート
Smart, Christopher

[生]1722.4.11. ケント,シップボーン
[没]1771.5.21. ロンドン
イギリス詩人ケンブリッジ大学に学び,ロンドンに出て新聞や雑誌に寄稿,また編集に従事しながら詩作した。作品には医師 J.ヒルに対する風刺詩『ヒリアッド』 Hilliad (1753) ,聖書詩篇』やホラチウスの翻訳があるが,最も著名なものは『ダビデ王に寄せる歌』A Song to David (63) 。狂気発作のうちに書かれたと伝えられているが,W.ブレークや J.クレア先駆をなす。

スマート
Smart, John

[生]1741.5.1. ノーフォーク
[没]1811.5.1. ロンドン
イギリスのミニアチュール画家。レーン美術学校,次いでドアー,R.コズウェーに学ぶ。 1762年以来美術家協会展に出品,のちにその会長となる。 85年から 10年間インドに滞在し,ミニアチュールを身につけた。帰国後はロイヤル・アカデミー展に出品。精緻をきわめたその作品は高く評価されている。同名息子も画家。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スマート」の意味・わかりやすい解説

スマート
すまーと
Christopher Smart
(1722―1771)

イギリスの詩人。ケンブリッジ大学を卒業、酒と放蕩(ほうとう)に身を持ち崩し、30歳ごろたびたび精神に異常をきたしては精神科病院に入る。狂気の発作の合間に書いたといわれる『ダビデへの賛歌』(1763)は、幻想の域にまで高められた宗教的情熱を歌った作品で、聖書に霊感を得た文学のなかでは傑作の一つとされる。ほかに数編の風刺詩、宗教詩があるが、晩年には借財のため投獄され、牢(ろう)の中で死んだ。

[上島建吉]

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