ザイベリー石(読み)ざいべりーせき(その他表記)szaibélyite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザイベリー石」の意味・わかりやすい解説

ザイベリー石
ざいべりーせき
szaibélyite

ホウ素(B)の鉱石鉱物の一つ。苦灰岩の接触帯や超塩基性岩中に生成されるほか、蒸発岩のような低温条件でも生成される。斜方相を含むいくつかの多型相が知られている。自形は未報告。c軸方向に伸びた繊維状ないし長柱状結晶の集合からなる。日本では岩手県宮古市根市(ねいち)鉱山閉山)の苦灰岩の採掘場から小藤石(ことうせき)の熱水分解産物として発見され、その後埼玉県、宮崎県などからも確認されている。命名は最初にこの鉱物を採集したハンガリーのレツバニアRézbánya鉱山の支配人ザイベリーStephan Szaibély(1777―1855)にちなむ。

加藤 昭 2016年9月16日]


ザイベリー石(データノート)
ざいべりーせきでーたのーと

ザイベリー石
 英名    szaibélyite
 化学式   Mg2[OH|B2O4OH]
 結晶系   単斜・斜方(直方
 硬度    3~3.5
 比重    2.74
 色     白
 光沢    絹糸~土状
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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