シナガワハギ(その他表記)yellow sweet clover
Melilotus officinalis (L.) Pallas

改訂新版 世界大百科事典 「シナガワハギ」の意味・わかりやすい解説

シナガワハギ
yellow sweet clover
Melilotus officinalis (L.) Pallas

海岸川岸低地道端空地などに生えるマメ科越年草で,最初に東京の品川で発見されて品川萩と名付けられた。茎は高さ20~150cm,直立してよく枝分れしており,全体ほとんど無毛。葉は3小葉をもつ複葉。小葉は狭長楕円形で先はとがらず,長さ1.5~3cmでまわりに鋸歯がある。花期は7~12月。腋生(えきせい)の総状花序に,多数の淡黄色蝶形花をつける。花は長さ4~6mm。果実広楕円形でややふくらみ,長さ2~2.5mm,幅約2mm。ユーラシア大陸に広く分布し,日本には帰化したとも考えられている。牧草とされることがあり,また花時に採取したものはタバコの香りつけに利用された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シナガワハギ」の意味・わかりやすい解説

シナガワハギ
しながわはぎ / 品川萩
[学] Melilotus officinalis (L.) Pall. subsp. suaveolens (Ledeb.) H.Ohashi
Melilotus officinalis (L.) Pall. subsp. alba (Medic.) Ohashi et Tateishi f. suaveolens (Ledeb.) Ohashi et Tateishi

マメ科(APG分類:マメ科)の越年草。茎は直立して、よく分枝し、高さ0.2~1.5メートル。葉は3小葉からなり、小葉は狭長楕円(だえん)形、縁(へり)に鋸歯(きょし)があり、側脈は鋸歯の先端に達する。7~12月、葉腋(ようえき)に総状花序を出し黄色の小さな蝶形花(ちょうけいか)を多数つける。豆果は広楕円形で、表面に不規則な網目状のしわがあり、種子は1個。海岸、川岸、空き地などに生え、日本、シベリア、東アジア、東南アジアに広く分布する。日本にあるものは帰化したものといわれている。名は、東京の品川に野生種があったためにつけられたものである。

[立石庸一 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シナガワハギ」の意味・わかりやすい解説

シナガワハギ(品川萩)
シナガワハギ
Melilotus suaveolens

マメ科の二年草で,中国北部原産の帰化植物。日本では各地の海岸付近に野生化している。高さ 50~100cmで3出複葉を互生し,小葉は細長く鋸歯が目立つ。初夏に,小さな黄色の蝶形花を総状花序をなしてつける。乾燥すると芳香を出し,家畜の飼料になる。東京の品川で野生状態であったことからこの名がある。

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