シニグリン(読み)しにぐりん(英語表記)sinigrin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シニグリン」の意味・わかりやすい解説

シニグリン
しにぐりん
sinigrin

からし油配糖体一種ミロン酸カリウムともいう。和がらし、黒がらしの種子や、ワサビ根茎に含まれる。白色柱状ないしは針状晶。融点129~130℃。水に溶けやすいが、エタノールエチルアルコール)には溶けにくく、エーテルには不溶である。チオグルコース誘導体で、黒がらしの種子に存在する酵素チオグルコシダーゼ(シニグリナーゼ、ミロシナーゼともいう)により加水分解され、からし特有の刺激性のあるイソチオシアン酸アリルとグルコースおよび硫酸水素カリウムとなる。

[飯島道子]

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