シビックトラスト(その他表記)Civic Trust

デジタル大辞泉 「シビックトラスト」の意味・読み・例文・類語

シビック‐トラスト(Civic Trust)

市民活動基金。元来は、1957年に設立された、都市環境の保全改善目的とする英国団体土地建物などを買い取って保存するナショナルトラストとは違い、集会パンフレットで啓蒙活動をしながら、環境保全団体に助言支援を行う。→ナショナルトラスト

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シビックトラスト」の意味・わかりやすい解説

シビック・トラスト
Civic Trust

都市や田園における環境保全運動を展開するイギリスの慈善団体。1957年に歴史的建造物の保存,田園の美しさの保護,美観をそこねる醜悪なものの居住環境からの除去を目的に,当時の住宅大臣ダンカン・サンズによって創設された。市民の地域に対する関心愛着を喚起し,環境保全運動に対する主体的な参加を促すとともに,環境改善運動に携わる地方のアメニティ団体の活動拠点としての役割を担い,1973年末には登録団体が 1000をこえ,個人会員は約 30万人に達した。歴史的な建造物・地域の保存や樹木植栽・保存などを定めた環境保全法(1967)の草案にかかわり,環境に貢献する建造物や修復事業などに贈られるシビック・トラスト賞を創設した。活動は自治体や建築家など専門家の協力が不可欠で,造園工事や河川運河の修復など大がかりな事業から醜悪な看板の撤去など多岐にわたる。運営費は民間の寄付金,政府・自治体の助成金,会費などでまかなっている。本部ロンドン。(→ナショナル・トラスト

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世界大百科事典(旧版)内のシビックトラストの言及

【町並み保存】より

… 各国の法制にも変化がみられ,62年にはいわゆる〈マルロー法〉(フランスの歴史的・美的遺産の保護法を補足し,不動産修理を促進する1962年8月4日付法律)がフランスで制定され,67年にはシビック・アメニティーズ法がイギリスで制定されて,それぞれ都市計画と文化財保護を統一した法規のもとに推進することとなった。保存組織としても,56年にイタリア・ノストラ,57年にシビック・トラスト,64年にシビタス・ノストラがそれぞれイタリア,イギリス,フランスに作られ,広域的な情報交換に役立っている。ヨーロッパ全体の動きを統一した出来事としては,75年を〈ヨーロッパ建築遺産年〉と定めて行われた各種の行事があり,都市景観・遺産の保全に関する〈アムステルダム宣言〉がまとめられた。…

※「シビックトラスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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