シャイト(読み)しゃいと(英語表記)Samuel Scheidt

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャイト」の意味・わかりやすい解説

シャイト
しゃいと
Samuel Scheidt
(1587―1654)

17世紀ドイツで活躍した作曲家、オルガン奏者。シュッツシャインとともに17世紀ドイツの「三大S」の一人。1603~08年、生地ハレのモーリッツ教会オルガン奏者を務めたのち、アムステルダムに留学しスウェーリンク師事、翌09年ハレのモーリッツ城のブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ウィルヘルムの宮廷オルガン奏者に就任、20年には同宮廷の楽長となっている。24年に出版した3巻からなるオルガン曲集『タブラトゥーラ・ノバ(新譜表)』は重要な業績である。シャイトはこの曲集で、ドイツ伝統の文字譜にかわり、イタリア式の五線譜を採用している。28~30年にはハレ市音楽監督を務め、54年3月24日、同地で世を去った。

樋口隆一

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャイト」の意味・わかりやすい解説

シャイト
Scheidt, Samuel

[生]1587.11.4. ハレ
[没]1654.3.24. ハレ
ドイツのオルガニスト,作曲家。アムステルダムで J.スウェーリンクに師事し,1609年ハレのモーリッツ教会のオルガニストに就任。 19年以降同地の宮廷楽長。 24年,3巻のオルガン曲集『タブラトゥーラ・ノーバ』を著わし,ドイツのオルガン音楽,特にコラール編曲技法発展に大きな影響を及ぼした。ほかに器楽アンサンブルのための舞曲集や協奏様式の宗教曲などがある。

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