政権を担当する力量のある二大政党制の発達しているイギリスで、野党内に設けられた党幹部による会議体の俗称。影の内閣と訳されている。野党では、首相(党首)以下、政府各省の構成に倣って所轄事項を担当する影の各閣僚を決め、内閣と同様に定期的に会議を開き、党独自の政策、議会対策などを協議決定する。政府批判、政権獲得の準備など、野党の政治機能を果たすうえでその基幹となるものである。政府与党もシャドー・キャビネットに対しては必要な情報を提供する慣習がある。この制度は1876年に始まり、1907年保守党のA・チェンバレンが初めてシャドー・キャビネットということばを使ったといわれる。日本でもイギリスに倣って野党第一党が、シャドー・キャビネットを組織したことがある。「社会党シャドーキャビネット」(日本社会党、1991年)、「明日の内閣」(新進党、1994年)、「次の内閣」(民主党、1999年)、「シャドーキャビネット(影の内閣)」(自由民主党、2010年)などである。
[小松 進]
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