シュティンネス(その他表記)Hugo Stinnes

改訂新版 世界大百科事典 「シュティンネス」の意味・わかりやすい解説

シュティンネス
Hugo Stinnes
生没年:1870-1924

ドイツ実業家祖父の興した同族会社継承・発展させて,炭鉄業を中心としたドイツ最大のコンツェルン(シュティンネス・コンツェルン)を作り,〈ルールの王〉と呼ばれた。ドイツ革命にさいして,自由労組議長レギーンとともに中央労働共同体Zentralarbeitsgemeinschaftを設立し,革命克服に努力した。ワイマール共和国初期の政財界に巨大な影響力を及ぼし,ルール占領に始まる1923年の共和国の危機にさいして独裁計画を練ったが,失敗した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュティンネス」の意味・わかりやすい解説

シュティンネス
しゅてぃんねす
Hugo Stinnes
(1870―1924)

ドイツの大資本家。家業石炭運輸業を継いで発展させ、電力業などにも進出、第一次世界大戦前にすでにルール重工業界で地歩を占めた。大戦中軍部と結んで利益をあげたが、敗戦が迫るとそれまでの態度を一変して、労働組合を承認し、そのかわりに現存経済体制を継続するという中央労働共同体(シュティンネス‐レギーン協定)を自由労働組合らと結んで、経済界が革命期を乗り切るのを指導した。ワイマール共和国前期にはインフレを利用して一大コンツェルンを築き、同時にドイツ人民党国会議員、賠償問題の交渉役として政治的にも大きな影響力をもった。とくに1923年ルール占領の危機の際、反共和国的独裁樹立を画策したことはよく知られている。

[木村靖二]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「シュティンネス」の解説

シュティンネス
Hugo Stinnes

1870~1924

ルール地方の大工業家。第一次世界大戦前すでにドイツ重工業界の重要人物であり,戦中から戦後にかけ,石炭,鉄鋼を中心に電力,船舶,石油製紙,新聞,銀行など各種産業を含む大コンツェルンを構築した。ドイツ革命の最中には,労資協調団体を組織して反革命運動を展開し,またドイツ人民党の国会議員で,政界の黒幕的存在としても活動した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュティンネス」の意味・わかりやすい解説

シュティンネス
Stinnes, Hugo

[生]1870.2.12. ミュールハイム
[没]1924.4.10. ベルリン
ドイツ,ルール地方の実業家。 1893年ベルリンに会社を設立して以来,第1次世界大戦後の不況も乗切り石炭,鉄鉱を中心に,通運,貿易,石油,製紙,電力,新聞,銀行などあらゆる産業部門に及ぶシュティンネス・コンツェルンを形成した。ドイツ革命では労使協調団体を組織して反革命運動に乗出し,国会議員としても活躍した。

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367日誕生日大事典 「シュティンネス」の解説

シュティンネス

生年月日:1870年2月12日
ドイツ,ルール地方の実業家
1924年没

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