ジフェニルアセチレン

化学辞典 第2版 「ジフェニルアセチレン」の解説

ジフェニルアセチレン
ジフェニルアセチレン
diphenylacetylene

C14H10(178.23).トラン(tolan)ともいう.スチルベン臭素または塩素付加して得られたジハライドの強塩基による脱ハロゲン化水素により得られる.無色結晶融点62.5 ℃.λmax 222,265,280,297 nm(log ε 4.28,4.35,4.51,4.46).水に不溶,エタノールに可溶,熱エタノール,エーテルベンゼンに易溶.接触水素添加により,スチルベンさらに1,2-ジフェニルエタンとなる.ハロゲン化により,ジハロスチルベンさらに1,2-ジフェニルテトラハロエタンを得る.また,パラジウムまたはニッケル触媒により三分子環化付加してヘキサフェニルベンゼンを与える.[CAS 122-39-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジフェニルアセチレン」の意味・わかりやすい解説

ジフェニルアセチレン
じふぇにるあせちれん
diphenylacetylene

代表的なアセチレン化合物の一つ。トランともいう。白色針状晶で、とくににおいはない。

 スチルベンに臭素を付加し、ついで水酸化カリウムで脱臭化水素すると生成する。またベンジルヒドラゾンを酸化水銀で酸化しても得られる。多くのジエン類とジエン合成ディールス‐アルダー反応)を行う。また硫酸によって水の付加がおこり、ベンジルフェニルケトンを生成する。

[向井利夫]


ジフェニルアセチレン(データノート)
じふぇにるあせちれんでーたのーと

ジフェニルアセチレン

 分子式 C14H10
 分子量 178.2
 融点  60~61℃
 沸点  170℃/19mmHg

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のジフェニルアセチレンの言及

【トラン】より

ジフェニルアセチレンともいう。芳香族炭化水素の一つ。…

※「ジフェニルアセチレン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android