ジョコ・ウィドド(英語表記)Joko Widodo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョコ・ウィドド」の意味・わかりやすい解説

ジョコ・ウィドド
Joko Widodo

[生]1961.6.21. スラカルタ
インドネシア政治家。大統領(在任 2014~ )。「ジョコウィ」Jokowiの愛称で知られる。貧しい家庭に生まれ,幼少期はソロ川のほとりの違法の掘っ立て小屋で暮らした。ジャワ島中部の主要都市ジョクジャカルタの名門ガジャ・マダ大学に入学,1985年森林工学の学位を取得。卒業後,数年間はスマトラ島アチェ州にある国営パルプ工場で働いたが,その後,スラカルタに戻り,家具工場を経営。世界に数ヵ所のショールームを設け,家具輸出ビジネスで大成功を収め,国内の有力な家具製造業者団体の地域代表にもなった。2005年,直接選挙導入後初の地方首長選挙でスラカルタ市長に選出された。犯罪防止対策や外国人観光客の誘致手腕を発揮したほか,市内の貧民地区を頻繁に訪れたことや,市長報酬を受け取らなかったことなどで大いに名声を博し,2010年には 90%の得票率で再選された。2012年,ジャカルタ首都特別州の知事選挙に出馬すると,決選投票現職を破り,一躍全国的な注目を浴びた。また,容姿が当時のアメリカ合衆国大統領,バラク・オバマに似ていたことや,カリスマ性,非伝統的な政治家といった点からしばしばオバマと類比されるようになった。2014年,大統領選挙に出馬し勝利。2019年再選された。

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現代外国人名録2016 「ジョコ・ウィドド」の解説

ジョコ・ウィドド
Joko Widodo

職業・肩書
政治家 インドネシア大統領 元ジャカルタ特別州知事

国籍
インドネシア

生年月日
1961年6月21日

出身地
ソロ(ジャワ島)

学歴
ガジャマダ大学林業学部卒

経歴
父は木材加工業の傍ら、トラックやバスの運転手をしていた。高校では一時不登校となるが、一念発起してガジャマダ大学に進学。卒業後、家具輸出業を営む。業界団体幹部を務めていた2005年、スラカルタ(ソロ)市長選に当選。2012年ジャカルタ特別州知事に当選、保健や教育政策で実績をあげた。2014年7月インドネシア大統領選に当選、10月就任。非エリートの経歴から親しみを込めて“ジョコウィ”と呼ばれる。

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知恵蔵mini 「ジョコ・ウィドド」の解説

ジョコ・ウィドド

インドネシアの政治家。1961年、ジャワ島中部の古都スラカルタ市で大工職人の息子として生まれた。苦学の末、国立ガジャマダ大学に進学。学費は露天商などをやり自分で工面したという。卒業後、家具輸出業で成功し、2005年、スラカルタ市市長に当選。12年、ジャカルタ特別州知事となり行政改革などで大きな成果をあげる。14年7月9日に投票が行われた大統領選に出馬し、強い組織力を持つ元陸軍戦略予備軍司令官のプラボウォ・スビアントと闘った。選挙はかつてない激戦となり、同月22日の集計発表の前にスビアント側は「多数の不正があり、大統領選は無効」とし、負けを認めない姿勢を強調したうえで撤退表明。結果は、ウィドドが53.15%、スビアントが46.85%という僅差の得票率でウィドドが勝利した。10月20日に就任式が行われ、第7代インドネシア大統領に就任する予定。

(2014-7-24)

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