ジョフル(読み)じょふる(その他表記)Jacques Joffre

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョフル」の意味・わかりやすい解説

ジョフル
じょふる
Jacques Joffre
(1852―1931)

フランスの軍人元帥ピレネーゾリアンタル県に生まれる。工兵士官として本国、海外領各地で築城、基地建設に従事し、リヨテ将軍に認められた。1911年参謀総長となり、全兵力を北部および北東部に集中するという思いきった作戦計画をたてて、第一次世界大戦を迎えた。大戦初期、同方面の司令官となり、ドイツの鋭鋒(えいほう)を避けて「戦略的後退」と称される作戦をとり、マルヌ川の線で軍容を立て直して総反撃に出、ドイツ軍阻止に成功した。これはフランス戦勝の一因とされている。その後は持久戦略によることとなったが、この持久戦による勝利の経験が、戦後のマジノ要塞(ようさい)戦略を生んだといえる。大戦中の1915年末、フランス軍総司令官に任ぜられ、1年後元帥に昇進ののち辞任した。

石原 司]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ジョフル」の解説

ジョフル
Jacques Joffre

1852~1931

フランスの将軍,元帥。インドシナ征服に活躍したのち,1910年陸軍参謀総長となった。第一次世界大戦中は北部軍司令官としてマルヌの戦いを指揮し,持久戦に持ち込んでドイツ軍を阻止し連合軍勝利の一因をつくった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ジョフル」の解説

ジョフル
Joseph Jacques Césaire Joffre

1852〜1931
フランスの軍人
普仏 (ふふつ) 戦争参加アジア・アフリカ各地に派遣されたのち,参謀総長となった。第一次世界大戦では,1914年のマルヌの戦いでドイツ軍を破り,国民的英雄となった。

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