するする(読み)スルスル

デジタル大辞泉 「するする」の意味・読み・例文・類語

する‐する

[副]
滑るようになめらかに動くさま。また、ある動作が、静かに滞りなく進行するさま。「するする(と)音もなく障子が開く」「ランナーするする(と)塁を離れる」「舟がするする(と)岸を離れる」
草木が勢いよく生長するさま。すくすく。
「三ところに植ゑてけり。例よりも―と生ひ立ちて」〈宇治拾遺・三〉
[類語]するっとするりずるりつるりつるつるすべすべ滑らか滑っこい平滑つるん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「するする」の意味・読み・例文・類語

する‐する

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
    1. 人や動物などが、速やかに滞りなく移り動くさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「枝をよこたへて、そばよりするするとよりて、くびのねをつよく打たりければ」(出典:古今著聞集(1254)二〇)
      2. 「小長刀を取り、十文字に持て開き、するすると歩みより」(出典:源平盛衰記(14C前)三七)
    2. 棒状帯状のものが勢いよく伸びるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「三ところに植てけり。例よりもするすると生たちて、いみじく大になりたり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
    3. 物事が滞りなく行なわれるさま、なめらかに進行するさま、支障なく速やかに行なわれるさまを表わす語。すらすら。
      1. [初出の実例]「直に舞ひ謡ひ、振りをもするするとなだらかにすべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)六)
      2. 「不思議や次第に円盤がするするするする廻転し始めて」(出典:異端者の悲しみ(1917)〈谷崎潤一郎〉一)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 女房詞。滞りのないさま。支障のないさま。無事であるさま。特に、出産が無事に済むさま。
    1. [初出の実例]「さんかうの人かへりて御神事とくる。するするのよし申さるる」(出典:御湯殿上日記‐明応七年(1498)一二月六日)

する‐する

  1. 〘 名詞 〙するめ」をいう女房詞。
    1. [初出の実例]「一、するめ。よこがみ、するするとも」(出典:大上臈御名之事(16C前か))

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