翻訳|slot machine
硬貨またはその代用品を用いる賭(か)け事の機械。機械の種類により多少の違いはあるが、レバーを引くと数種類の図柄が3~4の小窓に現れるようになっていて、二つ以上同じ図柄が並んでそろうと、入れた硬貨の何倍かが戻る仕掛けになっている。アメリカのラス・ベガス、モナコなどをはじめ世界中のカジノ(公認賭博(とばく)場)にはほとんど備え付けられている。1895年サンフランシスコのチャールズ・フェイCharles Fey(1862―1944)が発明したといわれ、その後改良されて1906年ごろ現行のものができ、シカゴ、カリフォルニア地方で大流行した。酒場などにも置かれて、のちアメリカ全土に広まった。1930年ごろコンソルという自動式のものができたがすぐに廃れた。日本には第二次世界大戦直後アメリカ軍が持ち込んだが、パチンコに押されて流行には至らなかった。その後、パチンコ店にパチスロが登場したり、娯楽機器としてゲームセンターなどに設置されるようになり定番となっている。なお、一般の自動販売機のことをスロットマシンとよぶことがある。
[倉茂貞助]
スロット(小さな穴)に硬貨を入れて作動さす機械の意。広義には自動販売機を含めるが,一般にはレバーを引くと3~4本のリールがまわってばらばらに止まり,絵合せする賭博(とばく)機械をさす。1895年にアメリカの技師フェイCharles Feyが製作した〈リバティ・ベル〉が最初とされ,20世紀に入ると各地の賭博場に普及した。レバーが1本なので,別称をone-armed bandit(隻腕の悪党)といい,絵に果物が多く用いられるところからイギリスではfruit machineともいう。小額で賭けられるため根強い人気があり,ラス・ベガスだけでも2万台以上が年間7億ドルの収益をあげているという。普通は当りが出ると2~20倍の現金が戻るが,ジャック・ポットという最高の組合せは100~200倍になる。1ドル紙幣を用いる機械もある。日本にも第2次大戦後遊技機として輸入され,直接硬貨は使用できないが,とくに1960年代以後は新型が輸入あるいは製作されて,ゲームセンターや喫茶店に置かれた。79-80年に大流行したインベーダーゲームはコンピューターを使用した賭博機械であり,82年には賭金が最高500倍になるポーカーやバカラの遊技機が,関西を中心として爆発的に流行し,取締りの対象となった。
執筆者:増川 宏一
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