ぽっと(読み)ポット(英語表記)Pott, August (Friedrich)

デジタル大辞泉 「ぽっと」の意味・読み・例文・類語

ぽっ‐と

[副](スル)
突然に物事が現れるさま。「考えがぽっと浮かぶ」
急に明るくなったり、赤くなったりするさま。「電灯がぽっとつく」「ぽっとほおを染める」
ぼんやりしているさま。ぽうっと。「ぽっとして見ている」
[類語]あんぐりあんごりぼんやりぼうっとぼそっとぼけっとぼさっとぼさぼさぽうっときょとんぽかんぽかり不明瞭灰色ぼうぼやっともやもやおぼろおぼろげ不鮮明朦朧もうろう模糊もこ茫漠ぼうばく茫茫ぼうぼうばく漠然ばくぜん不詳未詳未知未確認迷宮入り

ポット(pot)

コーヒー・紅茶などを入れる、注入口のついたつぼ形の容器。「ティーポット
魔法瓶
賭け金。懸賞金ポーカーで1回の賭け金。
サッカーの国際大会で、グループリーグの組み合わせ抽選に用いられる仕組み。世界ランキングなどに基づき、チームを割り当てること。また、割り当てたもの。これをもとに抽選が行われ、同じポットまたは同じ地域のチームが同一グループにならないように振り分けられる。
[類語](2空き瓶一升瓶魔法瓶水筒ボトルペットボトルジャー

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精選版 日本国語大辞典 「ぽっと」の意味・読み・例文・類語

ぽっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 火、煙、においなどが急に立ちのぼるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「箪笥を啓けると茀然(ポッ)と起つ麝香の香に」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  3. 日が射したり、光がともったりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「ぽッと腰障子へ暖う春の日は当るが」(出典:婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)
  4. ある表情や様子やイメージなどが不意に、無意識に生じるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「三千代の顔を頭の中に浮べやうとすると〈略〉此黒い、湿んだ様に暈された眼が、ぽっと出て来る」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉四)
  5. 急に、あまり考えもなく、ある行動などをするさまを表わす語。「田舎からぽっと出てくる」
  6. 顔や体がほてったり、赤くなったりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「沢(つや)の無い頬が仄(ポッ)と赤味を帯んで来た」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春)
  7. 自分を失うさまを表わす語。特に、異性に気をうばわれるさまについていう。
    1. [初出の実例]「かた気の男もぽっとして」(出典:歌謡・端唄部類(1858‐65)大津ゑかへうた)
  8. 生活の苦労もなくぼんやりとしているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「母親に甘やかされてぽっと育ったる世間知らずの上に」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉三四)

ポット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] pot )
  2. 紅茶、コーヒーなどを入れて、各人に供するための、注ぎ口、持ち手のついたつぼ形の器。
    1. [初出の実例]「銀のポットを持って」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)
  3. 魔法びん。
    1. [初出の実例]「ぬるい麦茶をポットからそそいで」(出典:面影(1969)〈芝木好子〉三)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ぽっと」の意味・わかりやすい解説

ポット
Pott, August (Friedrich)

[生]1802.11.14. ネッテルレーデ
[没]1887.7.5. ハレ
ドイツの言語学者。ハレ大学教授。インド=ヨーロッパ語族の語源研究に貢献した。比較研究による言語の歴史の解明を語源研究の目的に据えたことにより,近代的語源学の祖とされる。主著は『インド=ゲルマン諸語の領域における語源研究』Etymologische Forschungen auf dem Gebiete der indo-germanischen Sprachen(1833~36),ロマ(→ロム)の言語についての最初の言語学的な著作『ヨーロッパおよびアジアのジプシー』Die Zigeuner in Europa und Asien(2巻,1844~45)など。

ポット
Pott, Percivall

[生]1714.1.6. ロンドン
[没]1788.12.22. ロンドン
イギリスの外科医。 1744年から 87年まで,聖バーソロミュー病院に勤めた。彼が詳しく記載した脊椎カリエス,脊柱湾曲,複雑なくるぶしと腓骨の骨折,老人性壊疽などは,それぞれポット病,ポット亀背,ポット骨折,ポット壊疽と呼ばれる。また 75年,煙突掃除人がすすにまみれて職業病として起す陰嚢癌を記載したが,これは 1915年に山極勝三郎と市川厚一が,ウサギの耳にコールタールを反復塗布して人工発癌に成功するきっかけとなった。

ポット
Perodicticus potto; potto

霊長目ロリス科。体長 32~40cm,尾長5~10cm。顔は丸く,眼が大きく,耳が小さい。前後肢の第2指は発達が悪く,痕跡的であるが,第1指は大きく,他の指に対向し,物をつかむのに適している。夜行性で,日中は樹洞にひそむ。動作はのろいが慎重に行動する。なお,頸椎の鋭い突起が皮膚から突き出ているが,この突起は,敵に攻撃されたとき防御用に使われるらしい。東・中央・西アフリカに分布し,熱帯雨林にすむ。

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食器・調理器具がわかる辞典 「ぽっと」の解説

ポット【pot】

➀魔法びん。⇒魔法びん
➁深さのある、主として丸い壺型の容器。食器ではティーポットコーヒーポットミルクポットシュガーポット、保存容器のガーリックポットなどがあるほか、食器以外の生活用品として、フラワーポット(陶器製の植木鉢)、アロマポット(アロマテラピーで精油を揮発させる器具)、コーナーポット(隅に置く小型のごみ入れ)などがある。

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リフォーム用語集 「ぽっと」の解説

ポット

壷や甕などの液体を溜めるための容器で、底広である程度の容積を持つものの事。植物を育てるための小型の植木鉢なども指す。

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世界大百科事典(旧版)内のぽっとの言及

【植木鉢】より

…また鉢底に穴があるのは排水と通気を図るものであり,上げ底は板や地上に置いても水がはけるようにするためである。(2)ポット類 合成化学工業の発達により,第2次世界大戦後ビニルポット,硬質ビニルポット,プラスチックポットが,育苗や仕上用に利用されている。いずれも軽量で破損しにくく,輸送・格納に利点があり,素焼鉢のように側面からの通気がないが,用土の質と調製に留意すれば,植物の生育には支障はない。…

※「ぽっと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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