改訂新版 世界大百科事典 「セクメト」の意味・わかりやすい解説 セクメトSekhmet 古代エジプトのライオンの姿をした女神。プタハの配偶神,蓮の神ネフェルテムNefertemの母で,メンフィスの三柱神の一人。後にムートおよびバステートBastet(ライオンあるいは猫の姿の女神)と同一視され,カルナックのムート神殿ではアメンヘテプ3世によるセン緑岩の座像が数多く発見されている。太陽神ラーに敵対する者たちを虐殺する役目をもち,死をもたらす女神として伝染病と結びつけられたが,一方,病から救う神ともされ,古くよりセクメトの神官団は医師および獣医師によって形成されていたことが知られている。執筆者:中山 伸一 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「セクメト」の意味・わかりやすい解説 セクメトせくめとSekhmet 古代エジプトの古都メンフィスで崇拝された女神。男神プタハ(技芸の神)の妻であり、子のネフェルテムとともにメンフィス三神とみなされた。セクメトは牝(めす)ライオンの姿で表現され、疫病あるいは太陽の強い光線、干魃(かんばつ)などを表すものとされ、人間の滅亡に手を貸すものとして恐れられた。ときにはセケトSekhetともよばれる。[矢島文夫][参照項目] | ネフェルテム | プタハ セクメト 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
百科事典マイペディア 「セクメト」の意味・わかりやすい解説 セクメト 古代エジプトの女神。プタハの妻。雌獅子の頭部をもち,ラーの怒りを体現する戦闘の神で,また医師の守護神ともされる。主な聖地はメンフィスとカルナックで,後者からは同神の像が大量に出土している。→関連項目ネフェルテム|バステート 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セクメト」の意味・わかりやすい解説 セクメトSekhmet 古代エジプトの女神。メンフィスで,最高神プターの妻として尊崇され,この夫婦の息子ネフェルトゥムとともに3大神のグループを構成した。雌のライオンの頭をもつ強力な戦神で,殺戮を好み,人類が神意にそむくことがあれば狂暴な残忍性を発揮して罰を加え,自分の流す血に酔いしれる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by