ウール(読み)うーる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウール」の意味・わかりやすい解説

ウール
wool

緬毛。毛糸毛織物の原料となる繊維。繊維の中心部に髄質を欠き,化学的にはケラチンといわれる蛋白質から成っている。主としてめん羊から採取され,動物性繊維の中心である。外観的な性質から細毛,中毛,長毛,雑種毛などに分れる。細毛の大部分はメリノ種の羊から得られるが,繊維に波状の屈曲が多く,繊維がからみ合ったフェルト化現象が起りやすいので肌着織物に用いる。羊毛特色は表面は鱗 (スケール) におおわれており,形状が巻縮していて,保温性が高く,衣料用繊維としてきわめてすぐれている点にある。生産地はオーストラリアニュージーランド,アメリカ合衆国,南アメリカ,旧ソ連,中国などで,オーストラリアとニュージーランドでその 40%以上を占め,輸出量にいたっては 70%以上を保持している。羊毛は北半球では4~9月,南半球では9月から翌年2月の間に年1回刈取る。産地や成長の進度によって年2回刈取る場合もある。剪毛したままの脂付羊毛 (原毛) から不純物を除いて得られる洗上羊毛の割合を歩どまりという。また一般に羊毛取引では洗上羊毛がその対象とされる。品質無色光沢の強いもの,不純物の少いものがよく,繊維は細く,長く均一で柔らかく正常な巻縮をもち,水分の含有量が 15~18%のものがよいとされる。取引はオーストラリア,ニュージーランド,南アフリカ共和国などではせり売りアルゼンチンなどでは相対取引が行われる。流通経路は脂付羊毛の場合,原産地牧場で荷造り包装されたものが商社を通じて輸入され,毛紡メーカーの手に入る。

ウール
ūr

南インド,タミルナードゥの古い村落機関。村落内の土地保有者たちが構成員となって,村落の道路や貯水池を修繕し,灌漑用水の使用を定めたり,寺院を維持するなど,村落内のことを定めた。バラモンたちに寄進された村落では,バラモンを成員としたサバーという同様な機関を設けた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウール」の意味・わかりやすい解説

ウール
うーる

羊毛

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