ゼノ(英語表記)Zeno

翻訳|Zeno

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼノ」の意味・わかりやすい解説

ゼノ
Zeno

[生]426? イサウリア
[没]491.4.9.
ビザンチン皇帝 (在位 474~475,476~491) 。イサウリア族族長タラシコディッサはゲルマン人アスパー支配下の宮廷勢力に対抗するため,レオ1世の招きで首都コンスタンチノープルに入り,466年皇女アリアドネと結婚,ラテン名ゼノと名のった。 474年レオ1世が没すると,ゼノの7歳の息子がレオ2世として即位したが,同年末レオ2世が死んだため,正帝位についた。即位後一時陰謀により退位させられたが復位。その治世中最大の事件は 482年の『ヘノチコン』 Henōtikonと呼ばれる統一勅令の発布である。キリスト単性説とキリスト両性説の妥協を目指したものであった。しかしこれは双方の拒否するところとなり,いわゆる「アカキウスの分裂」を引起した。

ゼノ
Zeno, Carlo

[生]1334. ベネチア
[没]1418.3.8. ベネチア
イタリア,ベネチアの軍人,提督。短期間パドバ大学で学んだあと,貧窮のため余儀なく軍人となり,のち商人となった。コンスタンチノープルやクレタ島との貿易に従事するかたわら,ベネチア使節としてビザンチン帝国におもむき活躍。 1378~80年地中海の覇を争ったジェノバとベネチア両国間のキオッジャの戦いでジェノバ海軍を悩まし,ベネチアを勝利に導くのに貢献。その功によりベネチア海軍総司令官に任命された。さらにキプロスからジェノバ人を追放することにも力を尽した。

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