ゼラニウム油(読み)ぜらにうむゆ(英語表記)geranium oil

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゼラニウム油」の意味・わかりやすい解説

ゼラニウム油
ぜらにうむゆ
geranium oil

北アフリカ、フランス領レユニオン島、南アフリカマダガスカル、スペイン、フランス、イタリアなど、および日本で栽培されるフウロソウ科ニオイテンジクアオイ(大葉ゼラニウム)の葉、小枝水蒸気蒸留すると収油率0.15~0.3%で得られる精油ゲラニウム油ともいう。各地で生産される精油は、その植物起源が明確でないものが多いので、産地によってその性状がいくぶん異なっている。ゼラニウム油の成分はゲラニオールシトロネロール、ロジノールなどが60~70%含有されており、これらのギ酸エステルも存在している。ローズ油に似た特有の香気を有し、高級調合香料として重要である。一般香粧品、せっけん香料、ロジノールの製造原料として用いられている。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゼラニウム油」の意味・わかりやすい解説

ゼラニウム油
ゼラニウムゆ
geranium oil

ゼラニウムの枝葉の蒸留によって得られる精油。主生産地はアフリカ北部,レユニオン島。主成分はシトロネロール,ゲラニオール。ばら花香をつくる主成分であるロディノール rhodinolは,これの分別蒸留によってつくられる。化粧品石鹸香料などに利用される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報