たって
(
助動詞「た」に
助詞「とて」の付いた「たとて」の変化した語)
接続助詞的に、くだけた話しことばとして用いる。上の語によって「だって」となることもある。
※
洒落本・美地の蛎殻(1779)「あんな盃に一つ百
(そく)や二そく呑んだって、いきつきそうな顔つきかへ」
※
吾輩は猫である(1905‐06)〈
夏目漱石〉一「
うちなんかいくら大きくたって腹の足しになるもんか」
※
真景累ケ淵(1869頃)〈
三遊亭円朝〉二「何
(ど)うも遠いからのう。なかなか尋ねるたって容易でない」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「たって」の意味・読み・例文・類語
たって[連語]
[連語]《格助詞「と」と動詞「いう」の連用形に接続助詞「たって」の付いた「といったって」の音変化》名詞、活用語の終止形、動詞と一部の助動詞の命令形、一部の助詞に付く。上に促音の付いた「ったって」の形をとることが多い。ある事柄を認めるにしても、全面的にではないという気持ちを表す。…といっても。…としても。「登山たって、ハイキング程度さ」「来いったってすぐには行けない」「買うったって近くに店はないよ」
[補説]打ち解けた話し言葉で用いられる。
たって[接助]
[接助]《過去の助動詞「た」の終止形に接続助詞「とて」の付いた「たとて」の音変化》動詞・形容詞、一部の助動詞の連用形に付く。ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞に付く場合は「だって」となる。逆接の仮定条件を表す。…ても。…たとしても。「笑われたってかまわない」「いくら捜したっているはずがない」
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