ダマル(読み)だまる(英語表記)amaru

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダマル」の意味・わかりやすい解説

ダマル
だまる
amaru

インドおよびチベットの砂時計型両面太鼓。胴のくびれた部分に金属やコルクの玉のついた紐(ひも)を巻き、太鼓を左右に振って膜面に玉を当てて音を出す。大きさは8~30センチメートル、紐の両端に玉のついたものや片方だけのもの、布製の持つ部分があるものやないものなどさまざまである。胴は木、陶、青銅などでつくられ、チベットでは人間の頭蓋骨(ずがいこつ)を2個背中合わせにつけたものもある。インド神話シバ神の持ち物とされ、本来は宗教儀式や呪術(じゅじゅつ)などに用いられたが、今日ではおもに大道芸人の用具となっている。

[柴田典子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダマル」の意味・わかりやすい解説

ダマル
damaru

インド,チベットの小さな振り鼓 (でんでん太鼓) の類の膜鳴楽器古代サンスクリット文学彫刻にシバ神の楽器として現れる。インドのは鼓形の胴の両面に皮が張られ,胴につけた紐の先に小さな金属性の玉がつけられており,太鼓を振ると,その玉が両面に当って音が出る。両面の皮を紐で締めているので,その紐を締めたり,ゆるめたりすることによりピッチを変えることができる。宗教的な民俗音楽に多く用いられる。チベットのダマルは碗形の胴を背中合せにつけた形のもの。2つの頭骸骨でも作る。ラマ教誦経に用いる。モンゴルにもある。

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