チズゴケ(読み)ちずごけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チズゴケ」の意味・わかりやすい解説

チズゴケ
ちずごけ
[学] Rhizocarpon geographicum (L.) DC.

地衣類ヘリトリゴケ科の1種。高山の主として酸性の岩上に密着して生える。地衣体は小形の痂(か)状で、表面は黄色、大小不同の区画に分かれ、縁(へり)は黒色に縁どられている。子器(しき)は地衣体の中にうずもれてできる。この地衣の生えているようすが、岩上に地図を描いたようにみえるところからチズゴケの名がある。日本各地のほか、南北極地圏から温帯にかけて広く分布する。

[井上 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チズゴケ」の意味・わかりやすい解説

チズゴケ(地図苔)
チズゴケ
Rhizocarpon geographicum

ヘリトリゴケ科の固着地衣類。美しい硫黄色の地衣で,岩石の表面に固着して生じる。髄層は白いが,黒色の菌糸下部に発達しているので縁が黒色にみえる。表面は不規則に細かな亀裂を生じ,径 0.5~1mmの円形黒褐色盤子器が散在する。子嚢胞子暗褐色。北海道,本州深山の岩石にみられ,中国,ヨーロッパ,北アメリカにも分布する。

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