日本大百科全書(ニッポニカ) 「チャールトン」の意味・わかりやすい解説
チャールトン
ちゃーるとん
Bobby Charlton
(1937―2023)
イングランドのプロサッカー選手。ボビー・チャールトンとよばれる。本名はロバート・チャールトンでボビーはニックネーム。10月11日、イングランドのアシントンに生まれる。イングランド代表として106試合に出場し、総得点49は、2017年1月にウェイン・ルーニーWayne Rooney(1985― )が更新するまでイングランド代表の最高記録であった。19歳のときマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)でトップリーグ初出場。2年後の1958年、チームはミュンヘンの航空機事故で多くのレギュラーメンバーを失ったが、奇跡的に生還したチャールトンは、やはり生き残った監督バスビーMatt Busby(1909―1994)とともにチームを再建。事故から10年を経た1968年に、イングランドのクラブとしては初のヨーロッパ・チャンピオンズ・カップ(現、UEFAチャンピオンズ・リーグ)優勝を果たした。その2年前の1966年には、イングランド代表の中心選手としてワールドカップ優勝に貢献、同年ヨーロッパ最優秀選手賞(バロンドール)を受賞している。冷静沈着な判断力と正確なパスを駆使するゲーム・メーカーであると同時に、「キャノンシュート」とよばれる強烈なシュート力で得点を量産した。
[西部謙司]