日本大百科全書(ニッポニカ) 「チュド湖」の意味・わかりやすい解説
チュド湖
ちゅどこ
Чудское Озеро/Chudskoe Ozero
ロシア連邦北西部プスコフ州とエストニア共和国との境にある湖。エストニア語(Peipsi Jarv)や英語(Lake Peipus)などではペイプス湖ともよばれている。南北約75キロメートル、東西約50キロメートル、面積2670平方キロメートル。湖の南部は、細長いチョープロエ湖Тёплое О./Tyoploe O.(長さ約25キロメートル、幅約3キロメートル、面積170平方キロメートル)によってプスコフ湖(面積710平方キロメートル)と結ばれており、チュド・プスコフ湖Чудско‐Псковское О./Chudsko-Pskovskoe O.と総称される。平均水深は7.5メートル、最深部はチョープロエ湖にあって14.6メートル。氷河の移動作用によって形成された氷河期の遺物で、多数の島がある(最大はピリサール島)。湖岸には泥炭が堆積(たいせき)し、北岸および東岸には砂堆が発達している。湖の北端からナルバ川が流出してフィンランド湾に注ぐ。11月下旬から5月上旬までは結氷する。漁業が盛んである。1242年アレクサンドル・ネフスキー公の率いるノブゴロド軍が、チュド湖の氷上でドイツのリボニア騎士団を破った古戦場として知られる。
[須長博明]