タルトゥ(読み)たるとぅ(英語表記)Тарту/Tartu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タルトゥ」の意味・わかりやすい解説

タルトゥ
Tartu

旧称デルプト Derpt,ドイツ語名ドルパト Dorpat。エストニア東部の都市。5世紀から要塞集落があり,1030年ロシア人が城を建設。 1224年前後にドイツ騎士団の手に落ち,さらにロシア,スウェーデン,ポーランド領を経て 1704年にロシアに併合された。 1632年スウェーデン王グスタフ2世アドルフにより創設された大学は,ロシア進撃を避けて 99年に西のピャルヌに移転,1710年には閉鎖されたが,1802年タルトゥで再開。現在はタルトゥ大学となり,付属の天文台,博物館,植物園,約 300万冊の蔵書のある図書館などで有名。農業機械皮革,食品,印刷などの工場がある。首都タリンの南東約 170kmにあり,鉄道,ハイウェーの分岐点。人口 11万 4000 (1989推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タルトゥ」の意味・わかりやすい解説

タルトゥ
たるとぅ
Тарту/Tartu

エストニア共和国第二の都市。人口10万1246(2000)。エマ川の河岸にあり、チュド(ペイプス)湖の西に位置する。19世紀後半以来、エストニアの経済中心地として発展した。木材製靴、農業機械、食品などの工業が盛ん。キエフ大公ヤロスラフ1世が1030年に城を建設した古い町であるが、1224年チュートン騎士団が支配し、ついでハンザ同盟都市となった。1775年の大火や第二次世界大戦の被害を受けたが、1632年創立のタルトゥ大学、13世紀の大聖堂遺跡、市庁舎など歴史的建造物も多い。

山本 茂]

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