チョンヤン山脈(読み)チョンヤンさんみゃく(その他表記)Zhongyang shanmai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョンヤン山脈」の意味・わかりやすい解説

チョンヤン(中央)山脈
チョンヤンさんみゃく
Zhongyang shanmai

タイワン (台湾)の東部を南北に貫く主軸山脈。主脈の山嶺は標高 3000mをこえ,北からナンフーター (南湖大) 山,チョンヤンチエン (中央尖) 山,ホーホワン (合歓) 山,ノンカオ (能高) 山,トンロワンター (東巒大) 山,タンター (丹大) 山,シウクーロワン (秀姑巒) 山,コワン (関) 山,ペイナンチュー (卑南主) 山などがある。西側は北部をシュエシャン (雪山) 山脈中部ユイシャン (玉山) 山脈(→ユイ〈玉〉山)が並行する。東側では北部は絶壁となって太平洋に面し,中部はタイトン (台東) 平原でかぎられる。南部はホンチュン (恒春) 半島となってバシー海峡に突出している。原生林に覆われ,植物の垂直分布がみられる。北部のタイピン (太平) 山にはかつてイーラン (宜蘭) 平野のルオトン (羅東)から森林鉄道が敷かれ,モミなどが伐採されていた。低山帯にはクスノキが多く,樟脳(しょうのう)を産する。盆地や緩傾斜地には台湾先住民の集落があり,アワサツマイモなどの栽培を主業とする。ターチヤ (大甲) 渓とリーウー (立霧) 渓に沿って中部を横断する自動車道が 1960年に完成。沿線には避暑地リーシャン (梨山),スキー場のあるホーホワン山,眺望のよいターユイリン (大禹嶺) 峠などの観光地がある。石灰岩が広く分布し,ホワリエン (花蓮) 県では大理石を採石している。リーウー渓は石灰岩を刻んでタイルーコー (太魯閣) 峡峡谷を形成している。

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