ちりから

精選版 日本国語大辞典 「ちりから」の意味・読み・例文・類語

ちり‐から

〘名〙 (小鼓を肩に大鼓を脇の下にはさんで打つ、二挺鼓(にちょうつづみ)音色から) 二挺鼓を打つこと。また、その囃子ちりからたっぽう。ちりからちったぽう。
洒落本・後編風俗通(1775)金錦先生進学解「無垢世界の仏法すぼぼう、てれぼうてれつくつつてん天竺の事なれば、天から地理(チリ)からかれにしのはやし町は、本邦間尺に合はず」

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改訂新版 世界大百科事典 「ちりから」の意味・わかりやすい解説

ちりから

長唄の囃子用語。〈ちり〉は大鼓(おおつづみ),〈から〉は小鼓(こつづみ)の音をあらわす擬声音で,大鼓と小鼓で奏する長唄の囃子独特の手法をいう。長唄の囃子は能の囃子から出たものなのでその影響を残しているが,〈ちりから〉は能とは関係なく三味線のリズムや速さに合わせ,軽快に細かいリズムを大鼓と小鼓で打ち合わせる手法である。おもに曲の終り近くの〈ちらし〉の部分で活躍囃子方技量を示すことができる。一般に大鼓が表間,小鼓が裏間を打つ。
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