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長唄(ながうた)および一中節(いっちゅうぶし)の曲名。
(1)長唄は1828年(文政11)6月、10世杵屋(きねや)六左衛門(4世三郎助)作曲。本名題(ほんなだい)『八重霞(やえがすみ)賤機帯』。内容は謡曲『隅田川(すみだがわ)』『班女(はんじょ)』『桜川』をあわせた筋で、わが子の行方を捜す狂女と船頭のやりとりである。初演は日枝(ひえ)神社山王(さんのう)祭に踊り屋台で演じられた。初め一中節の『賤機帯』を予定したが雰囲気があわないので、長唄で新たにつくったという。そのため一中節の影響も強い。
(2)一中節では本名題『尾上雲(おのえのくも)賤機帯』。1751年(宝暦1)江戸・森田座の『祐経扇系図(すけつねおうぎけいず)』二番目に上演。壕越二三治(ほりこしにそうじ)作詞、宮崎忠五郎作曲、村上常五郎振付け。題材は長唄と同じだが歌詞が異なる。長唄、一中とも舞踊を伴う。
[茂手木潔子]
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…これらの作品中,女性が主人公の場合は,恋人やわが子を失ったのが原因による狂乱が圧倒的に多い。現行作品では清元《鞍馬獅子》,常磐津《お光狂乱》,長唄《賤機帯(しずはたおび)》,清元《隅田川(すみだがわ)》,常磐津《お夏狂乱》などがある。男性の狂乱作品には,清元《保名》《幻椀久》,長唄《二人椀久》などがある。…
※「賤機帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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