ツポレフ(読み)つぽれふ(英語表記)Андрей Николаевич Туполев/Andrey Nikolaevich Tupolev

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツポレフ」の意味・わかりやすい解説

ツポレフ
つぽれふ
Андрей Николаевич Туполев/Andrey Nikolaevich Tupolev
(1888―1972)

ソ連の飛行機設計者。1922年のANT-1(ANTはツポレフ頭文字)からTu-154、爆撃機Tu-26バックファイアや超音速輸送機Tu-144を含む多彩な作品を発表している。晩年には息子のアレクセイAlexei Tupolev(1925―2001)が実務を担当した。輸送機はほとんど西欧の模倣作だが、軍用機には独創的なものが多く、ソ連の誇る航空学者N・E・ジュコフスキーの流れをくむツポレフの個性が明らかに認められる。スターリン時代には投獄されたことがある。

佐貫亦男

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツポレフ」の意味・わかりやすい解説

ツポレフ
Tupolev, Andrei Nikolaevich

[生]1888.11.10. カリーニン,プストマゾボ
[没]1972.12.23. モスクワ
ソ連の空軍将校で航空機設計技術者。モスクワ高等工業大学卒業後,1918年に中央航空力学研究所創設に協力,35年まで同所の次長。アメリカとドイツ機密を漏したとして,38年に逮捕されたが5年後に社会に復帰。第2次世界大戦中には空軍中将として活躍。 53年にソ連科学アカデミー会員に選出。彼の設計による旅客機,中・長距離爆撃機は 100種以上にのぼるが,このうち 55年に設計された Tu-104双発ジェット機は旅客機として広く使われた。世界最初の超音速旅客輸送機 Tu-144の設計者としても知られる。 Tuは彼の名前を取ったもの。

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