ツヤムン石(読み)つやむんせき(その他表記)tyuyamunite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツヤムン石」の意味・わかりやすい解説

ツヤムン石
つやむんせき
tyuyamunite

ウラン鉱石鉱物の一つ。メタツヤムン石metatyuyamunite(Ca[(UO2)2|V2O8]・3~5H2O)とともにある種の堆積(たいせき)岩中に産し、この種のカリウム(K)置換体であるカルノー石と同様の産状を呈する。外見は皮膜状、塊状、鉱染状、ときに針状をなす。加熱すると暗褐色液体となる(カルノー石との区別)。日本での産出は報告されていない。命名は原産地キルギスのツヤムユンTyuya-Muyunにちなむ。構成する基本基V2O8中では五価バナジウム(V5+)は酸素原子5個に囲まれて5配位の形をとるため、系統分類上、酸化物に入れるという見解もある。

加藤 昭 2017年9月19日]


ツヤムン石(データノート)
つやむんせきでーたのーと

ツヤムン石
 英名    tyuyamunite
 化学式   Ca[(UO2)2|V2O8]・5~8H2O
 少量成分  Na,K,Ba,Sr
 結晶系   斜方直方
 硬度    ~2
 比重    3.59(5H2Oとして計算
 色     黄
 光沢    金剛
 条痕    黄
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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