テッセン(読み)てっせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テッセン」の意味・わかりやすい解説

テッセン
てっせん / 鉄線
[学] Clematis florida Thunb.

キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)の落葉藤本(とうほん)(つる植物)。茎が細長く質が堅いのでこの名がある。クレマチスの代表的な1種で、カザグルマ近縁である。原産は中国。葉は対生し、有柄の3出葉または2回3出複葉で、小葉は卵形または卵状披針(ひしん)形、葉柄は他物に巻き付く。花は葉腋(ようえき)につき、白色で径6~8センチメートル、花弁がなく、萼片(がくへん)は6枚で花弁状、雄しべは多数あり、普通は花糸が扁平(へんぺい)で暗紫色。ほかに紫色花や八重咲き花のものもある。花期は5~6月。排水のよい肥えた土壌に植え、根元日陰にし、茎葉には日を当てる。繁殖は挿芽、つる伏せなどによる。

[松岡清久 2020年3月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テッセン」の意味・わかりやすい解説

テッセン(鉄線)
テッセン
Clematis florida; cream clematis

キンポウゲ科のつる性植物で,中国原産。日本には寛文年間 (1661~73) に観賞用として伝えられた。植物体全体に短毛を生じ,葉はカザグルマなどに似た3出複葉で長い柄で対生する。5~6月に,直径 10cmもある大きな花をつける。花弁状の萼片は6片ありカザグルマの8片と区別される。白花のほか園芸品種には紫,ピンクなどもあり,八重咲きもある。つる状の茎が冬でも枯れず,強く針金のようなので鉄線と呼ばれる。また,ヨーロッパで改良されたものにはさまざまな花色のものがあり,園芸界ではクレマチスと呼ばれている。

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百科事典マイペディア 「テッセン」の意味・わかりやすい解説

テッセン

中国原産のキンポウゲ科のつる草で,観賞用に栽培。茎は細く,木質で2〜3mに伸び,1〜2回3出複葉を対生する。6〜7月,葉腋から出た長い柄に,径5〜8cmの花を単生。6枚の白色の萼片を花弁状に平開する。紫紅色花や八重咲変種もある。園芸品種のクレマチスの重要な交雑親の一つ。→カザグルマ

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改訂新版 世界大百科事典 「テッセン」の意味・わかりやすい解説

テッセン

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世界大百科事典(旧版)内のテッセンの言及

【クレマチス】より

…キンポウゲ科センニンソウ属Clematisのつる性多年草(イラスト)。この属は世界の温帯地方で200種以上あり,なかでも園芸的にクレマチスと総称されるものは中国産のテッセンC.florida Thunb.,ラヌギノーサC.lanuginosa Lindl.や日本産カザグルマC.patens Morr.et Decne.,およびこれらの種が関係した交配種であることが多い。 観賞用のクレマチス類は寒さに強く,つる丈2~3m。…

※「テッセン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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