テムコ(読み)てむこ(英語表記)Temuco

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テムコ」の意味・わかりやすい解説

テムコ
Temuco

チリ中南部の都市コンセプシオンの南南東約 220km,太平洋岸から約 70km内陸にあり,カウティン川にのぞむ。古くからこの地域一帯に住んでいたインディオアラウカノ族は長い間スペイン,次いでチリの支配に抵抗。市は,1881年アラウカノ族とチリ政府との間に結ばれた条約によってこの地域がチリ領となったのち,辺境の町として建設され,ドイツ人を中心としたヨーロッパ人の入植によって次第に発展。現在周辺の農業地帯の中心地で,小麦,リンゴ,ウシ木材などを集散,加工する。市内には大聖堂,アラウカノ博物館,インディオ市場などがあり,南方に広がるチリ湖沼地帯の入口で,また東方にそびえるアンデスのヤイマ火山のスキー場への基地ともなっているため,観光客が多い。パンアメリカン・ハイウェーとチリ縦貫鉄道が通る。人口 21万 1693 (1992推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「テムコ」の意味・わかりやすい解説

テムコ
てむこ
Temuco

南アメリカ、チリ南部の都市。チリ第9地域(ラ・アラウカニアLa Araucanía)の首都。人口24万3731(2002国勢調査速報値)。サンティアゴの南方676キロメートル、インペリアル川中流部に位置し、チリ南部の農・牧畜産物、林産物のもっとも重要な集散地の一つである。他の地域よりも先住民のアラウカノ人の人口が比較的多く、アラウカノ人の市場も開かれる。近くにはビヤリカ湖をはじめ美しい湖沼地帯が広がり、南部観光の拠点でもある。

[細野昭雄]

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