ディナルアルプス(読み)でぃなるあるぷす(その他表記)Dinaric Alps

精選版 日本国語大辞典 「ディナルアルプス」の意味・読み・例文・類語

ディナル‐アルプス

  1. ( Dinaric Alps ) ヨーロッパ南東部、バルカン半島西部を占める山脈アルプス山系の支脈一つで、アドリア海に沿って北西から南東に走る。大部分石灰石からなり、カルスト地形発達がいちじるしい。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディナルアルプス」の意味・わかりやすい解説

ディナル・アルプス
でぃなるあるぷす
Dinaric Alps

ヨーロッパ南東部、バルカン半島のアドリア海沿岸に連なる山脈。スロベニアクロアチアボスニア・ヘルツェゴビナセルビアモンテネグロアルバニアの各国にまたがる。標題の名称は原語の語尾変化部分を省略したもので、英語名はDinaric Alps、セルビア語/クロアチア語名はディナラ・プラニナDinara Planina。全長約650キロメートルに及ぶ第三紀の褶曲(しゅうきょく)山脈。アドリア海岸に並行する多くの小山脈から構成される。最高峰はモンテネグロのドゥルミトル山Durmitor(2522メートル)。狭義にはクロアチアのスプリト市北方を北西―南東方向に走る山脈をさし、その最高峰はトログラフ山Troglav(1913メートル)。大部分が石灰岩からなり、カルスト地形が多くみられる。銅、鉄、クロムボーキサイトなどの地下資源に富む。アドリア海側の山麓(さんろく)では、ブドウ、オリーブなどの栽培を主とする地中海式農業が営まれる。

[徳久球雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ディナルアルプス」の意味・わかりやすい解説

ディナル・アルプス[山脈]【ディナルアルプス】

ボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアの境界をなし,アドリア海岸に沿って走る山脈。セルビア・クロアチア語でディナラ・プラニナDinara Planina。北はユリスケ・アルプスを経てアルプスに続き,南はアルバニア北部のドリン川流域に至る。全長約650km。おもに石灰岩からなり,カルスト地形が発達。中央部が狭義のディナル・アルプスで,その南部のドゥルミトル山塊に最高峰(2522m)がある。地中海式気候と内陸性気候に分かれ,森林や自然資源が豊富。
→関連項目セルビア・モンテネグロバルカン半島モンテネグロ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android