日本大百科全書(ニッポニカ) 「ディーフェンベーカー」の意味・わかりやすい解説
ディーフェンベーカー
でぃーふぇんべーかー
John George Diefenbaker
(1895―1979)
カナダの政治家。進歩保守党に所属。第一次世界大戦参戦後サスカチェワン大学で学位をとり、弁護士を開業。1940年カナダ下院議員に当選して政界に入り、56年に野党党首となる。翌年の総選挙で政権を獲得した(1957~63)が、少数与党であったため、58年ふたたび総選挙を行い、265議席中208議席を占める大勝利を実現した。この勝利は、長い自由党時代に飽きた人心とディーフェンベーカー個人の魅力に帰される。彼の政権下、カナダは初めて北方開発に関心を向け、また懸案であったアメリカ・カナダ共同事業のセント・ローレンス水路の完成をみるなど、第二次世界大戦後の高揚期が続いたが、アメリカからの核兵器受け入れ問題で党内が割れ、自由党に政権を譲った。
[大原祐子]