日本大百科全書(ニッポニカ) 「デーリー・ヘラルド」の意味・わかりやすい解説
デーリー・ヘラルド
でーりーへらるど
Daily Herald
イギリスの日刊大衆新聞。1911年1月、ロンドンの印刷工がストライキを起こした際に創刊された週4日刊、4ページの新聞だったが、翌年4月一般全国紙を志して発行を再開。第一次世界大戦中は週刊紙となったが、19年からふたたび日刊となり、22年、労働組合総評議会の機関紙として発行されるようになった。経営難から29年にはオダムズ・プレス社に株の51%を譲渡、労働党の持株は49%となったが、編集方針は労働組合会議(TUC)の政策に沿う一般商業紙となり、激しい販売競争のすえ100万部を突破するに至った。第二次大戦中、爆撃によって大被害を受けたにもかかわらず、労働党の勢力が伸びたため200万部以上を維持したが、商業紙として生き延びるには編集方針上の制約があって、61年、インターナショナル・パブリッシング・カンパニー(IPC)に買収された。その後も経営内容は向上せず、64年廃刊され、後継紙として朝刊紙の『サン』が発行されている。
[伊藤慎一]