トック(読み)とつく

日本歴史地名大系 「トック」の解説

トック
とつく

漢字表記地名「徳富」のもととなったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名・山名として用いられる。天保郷帳には「イシカリ持場」のうち「トク」とみえ、当地一帯は近代に入り新十津川村に包含された。仮名表記は「トツク」(「廻浦日記」、「丁巳日誌」再石狩日誌、「蝦夷人物誌」など)、「トク」のほか「トフク」(「石狩日誌」付図)があり、漢字表記には「突区」(同上)がみられる。「廻浦日記」によると一八五六年(安政三年)五月八日、「石カリ運上屋」を出立する松浦武四郎一行の丸木舟に「トツク乙名 シツカウシ」ら三名の「トツク」生れのアイヌが乗組んでおり、一一日は「トツク」泊りであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「トック」の解説

トック【(朝鮮)】

朝鮮食材一つで、餅の一種。様々な穀物が用いられるがうるち米のものが代表的で、特に、うるち米を用いた棒状のものをさすことが多い。直径1cmほどで長さ5~6cmに切ったものが「トッポッキ」に用いられるほか、なるとくらいの太さのものを斜めに薄く切って、炒め物・煮物鍋料理などに広く用いる。うるち米を用いたものはもち米の餅のようにのびず、味がしみやすく煮くずれしない。

トック【(朝鮮)】

朝鮮料理の一つで、うるち米で作る朝鮮の棒状の餅「トック」を斜めに薄く切り、種々の具材とともにスープで煮た、雑煮に似た料理正月などに食べる。◇日本では、餅も料理名も「トック」というが、料理名は餅の「トック」に「汁」の意の「ク」がついたもので、餅の入った汁の意。発音は餅は「トッ」、料理名は「トククッ」に近い

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトックの言及

【餅】より

…酥餅は膨剤を加えてもろく焼いたもので月餅もこの類であり,餅類は全部点心の類である。【田中 静一】
[朝鮮]
 朝鮮語ではトックttŏkと総称し,餅,片とも書き表す。冠婚葬祭はもちろん,ちょっとした喜びごとでも餅を作って祝って食べるのがならわしである。…

※「トック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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