トリトマ(読み)とりとま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリトマ」の意味・わかりやすい解説

トリトマ
とりとま
[学] Kniphofia uvaria (L.) Oken (=Tritoma uvaria Gawl.)

ユリ科(APG分類:キジカクシ科)の耐寒性多年草南アフリカのケープ地方原産。和名シャグマユリ(赤熊百合)。クニフォフィア属(トリトマ属)のなかでもっとも普及している。葉は常緑で白粉を帯び、多数が根出、叢生(そうせい)する。長さ60~90センチメートル、幅2~3センチメートル、葉先は鋭くとがる。葉間から1メートルに達する花茎を出し、先端に円筒状の小花を穂状に密生する。花は下向きにつき、長さ15~25センチメートルで、つぼみのときは橙赤(とうせき)色で、開花とともに下部は黄色となる。花期は6~10月。花壇、切り花に多く用いられ、花色、大きさ、花茎の高さなどかなり違う変種がある。じょうぶで栽培しやすく、土質を選ばないが、日当りのよい所でよく育つ。繁殖は春または早秋に株分けによる。

[魚躬詔一 2019年3月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリトマ」の意味・わかりやすい解説

トリトマ
Kniphofia uvaria; torch lily

ユリ科の多年草。和名はシャグマユリ。南アフリカ原産で,観賞用に栽培される。葉は根出し線形で長さ 60~90cm。夏に,高さ 1mほどの花茎を伸ばし,茎頂に先が6裂した筒状の多数の花を下向きに密につける。花は長さ 2.5~5cm,上方の花は普通深紅色,下方の花は黄色。このほかやはり南アフリカ産の近縁種ヒメトリトマ K. rufaなど,いくつかの種や変種が同様に栽培されている。

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