トリホス(読み)とりほす(英語表記)Omar Torrijos Herrera

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリホス」の意味・わかりやすい解説

トリホス
とりほす
Omar Torrijos Herrera
(1929―1981)

パナマの政治家、軍人パナマ運河の主権回復に大きな役割を果たした。1952年パナマ国家警備隊に入隊。1968年10月アリアスArnulfo Arias Madrid(1901―1988)の大統領就任直後にクーデターを起こしアリアスを追放した。新大統領にはデメトゥリオ・ラカスDemetrio Basilio Lakas(1925―1999)が就任し、トリホスは国家警備隊司令官の地位にとどまったが、実権はトリホスの手にあった。1972年に新憲法が採択されると「最高指導者」の称号を得て国家統治の全権を与えられた。以後、パナマ運河の全面返還交渉に乗り出し、1978年6月アメリカとの間で新運河条約に調印した。それとともに最高指導者を辞任、国家警備隊司令官として影響力を行使していたが、1981年飛行機事故で死亡した。

[後藤政子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例