ドリオ(読み)どりお(英語表記)Jacques Doriot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドリオ」の意味・わかりやすい解説

ドリオ
Doriot, Jacques

[生]1898.9.16. オワーズ,ブレスレ
[没]1945.2.22. メムニンゲン
フランスの政治家。金属機械工として青年共産同盟に参加,のちフランス共産党中央委員。 1924年下院議員およびサンドニ市長。 27年扇動罪で入獄。 33年社会党と統一反ファシスト戦線の結成を提唱,時期尚早として中央委員会から追放,34年コミンテルンからも追放された。 36年作家の J.ロマン,酒造業者ヘネシーらの援助を受け反共のファシスト政党フランス人民党を創設したが,37年法相によりサンドニ市長を罷免され,下院議員も辞職。第2次世界大戦でのフランス降伏後ビシー政権の対独接近を支持,41~42年義勇軍を組織して東部戦線でソ連軍と戦った。 44年フランス解放後ドイツに逃れたが 45年連合軍機の機銃掃射で死亡。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドリオ」の意味・わかりやすい解説

ドリオ
どりお
Jacques Doriot
(1898―1945)

フランスの政治家。金属労働者として10代で社会主義運動に飛び込み、1922年には共産主義青年同盟書記長に就任ルール占領やモロッコ戦争に反対して再三投獄され、共産党の反植民地主義の象徴となった。1934年春以後は党中央より4か月早く社共統一戦線を主張してトレーズら多数派と衝突し党を除名された。一転して1936年にはファッショ的政党フランス人民党(PPF)を創立し、第二次世界大戦下では対独協力を鼓吹して自ら東部戦線でソ連軍と戦った。大戦末期には在ドイツの亡命政権「フランス解放委員会」の首領と認められたが、空襲で死亡した。

[平瀬徹也]

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