ナッサウ(読み)なっさう(英語表記)Nassau

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナッサウ」の意味・わかりやすい解説

ナッサウ
Nassau

西部ドイツの歴史的地方名。現在のドイツ,ヘッセン州の西半分とラインラントファルツ州の一部を含む。中世初期の時代は一つの主権国家であった。 12世紀頃からナッサウ伯が存在し,13世紀末期には短期間ではあったが神聖ローマ皇帝アドルフ・フォン・ナッサウ (在位 1292~98) も出している。しかしその後は所領の分割が続き最有力諸侯の列には入りえなかった。ナポレオン時代にはライン同盟一員となり,多少の領土を獲得して地位も上昇した (→ナッサウ公国 ) 。その後プロシア台頭とともに,オーストリア側に加担したナッサウの一部は,1866年プロシア王国に併合された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナッサウ」の意味・わかりやすい解説

ナッサウ
なっさう
Nassau

ドイツ中西部の地方名。旧侯領。中心都市ウィースバーデン。1100年ごろラウレンブルク伯がナッサウ城を築造したことからその名がおこり、1160年以後同家はナッサウ伯とよばれるようになった。1255年同家はワルラム家系とオットー家系とに分かれ、主流のワルラム家系はドイツ国王アドルフ(在位1292~98)を出したが、その後、一族の間で領土の分割・統合が繰り返されたのち、1802~06年に再統合され、1806年侯位を認められた。1866年プロイセンに合併されてヘッセン・ナッサウ州の一部となり、第二次世界大戦後はヘッセン州に属している。オットー家系はのちオラニエ・ナッサウ家となり、1815年ネーデルラント王、ルクセンブルク大公となった。

[中村賢二郎]

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