ウィースバーデン(読み)うぃーすばーでん(英語表記)Wiesbaden

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィースバーデン」の意味・わかりやすい解説

ウィースバーデン
うぃーすばーでん
Wiesbaden

ドイツ中西部、ヘッセン州州都ビースバーデンともいう。人口27万0100(2000)。ライン川右岸にあり、ラインラント・プファルツ州の州都マインツと対峙(たいじ)する。元来は18世紀に発展した王宮所在都市と温泉による観光保養地で、行政的には郡役所の所在地にすぎなかった。第二次世界大戦でフランクフルト・アム・マインが大損害を受けたため州政府関係の機関が立地、さらに連邦統計局などの連邦政府関係機関も多数集まった。

 ローマ時代に起源をもつ温泉は、旧市街に湧出(ゆうしゅつ)し、温泉関係の医療施設や宿泊施設も整備されている。北側にタウヌス山地を控え気候温暖なため、産業革命以降は国際的な保養地となった。各種の会議の開催、映画祭、演劇祭などの行事も多い。工業は、第一次世界大戦後、観光客の激減にあった地域経済の振興策として市の南郊に誘致した化学、電気機器、機械などのほか、出版・印刷業などがある。

[朝野洋一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィースバーデン」の意味・わかりやすい解説

ウィースバーデン
Wiesbaden

古代名アクアエ・マチアカエ Aquae Matiacae。ドイツ中部,ヘッセン州の州都。ドイツ最古の温泉地の一つ。温泉があるところから,ローマ人は長城 (リメス) 地帯軍事基地の一つとした。前 12年頃の土塁,後 370年頃の城壁などが発見されている。 829年にはフランク王の城が建設され,13世紀中頃に帝国直轄都市となり,のちナッサウ伯領となった。 27の温泉があり,周辺は気候温暖の景勝地で,保養地として知られるが,金属,化学,繊維,印刷などの工業が立地し,発泡ワインゼクト」の産地,ドイツ映画産業の中心でもある。新旧の市庁舎 (1610,1887) ,ナッサウ公の宮殿 (1840,現州庁舎) ,ギリシア聖堂 (1855) など,歴史的建造物も多い。人口 27万7493(2010)。

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