ねじれ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ねじれ」の意味・わかりやすい解説

ねじれ

針金のような物体をその軸の周りにねじったときの変形をねじれという。つるまきばねを伸縮したときも、ばねをつくる針金はねじれる。断面が円の一様な針金の一端を固定し、他端を角度θだけねじるのに必要なトルク(力のモーメントMは、針金の長さをl、断面半径をaずり弾性率Gとすると
  M=πa4Gθ/2l
となる。中空円筒状の丸棒では外半径をa1、内半径をa2とすると、
  M=π(a14a24)Gθ/2l
となる。Mとθとの比を、その針金のねじれのスティフネス(ねじれの定数)という。断面が円でなく、正方形長方形などの物体のねじれの場合には、問題は複雑になる。上端を固定した弾性体の針金の下に物体をつけて、ねじって放すと物体はねじれ振動をする。これをねじれ振り子という。また針金のねじれを利用してトルクの大きさを測る装置をねじり秤(ばかり)という。

[和田八三久・西 敏夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ねじれ」の意味・わかりやすい解説

ねじれ

柱状の弾性体の一端を固定し,他端に,軸方向に力のモーメントをもつ偶力を働かせたとき起こる変形。弾性体の軸に垂直な各断面は,固定端からの距離に比例した角度だけ回転する。弾性体が半径a,長さlの円柱で,その剛性率をn,偶力のモーメントをM,自由端の回転角(ねじれの角)をθとすれば,M=πna4θ/2lとなる。ねじれの角から偶力が測定され(トーションバランス),またねじれによる振動の周期から剛性率が測定される。

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