ネズバル(読み)ねずばる(英語表記)Vítězslav Nezval

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネズバル」の意味・わかりやすい解説

ネズバル
ねずばる
Vítězslav Nezval
(1900―1958)

チェコスロバキア詩人プラハで哲学を学んだが、早くからアバンギャルドの文学活動に参加し、シュルレアリストとして知られた。一方、共産党員として反ファシズム運動に関与、1930年代末期にシュルレアリスムと別れて、コミュニスト詩人としての道を歩み、ゲシュタポ(秘密国家警察)に捕らえられた経験もある。作品は数が多く、『パントマイム』(1924)、『エジソン』(1928)、『平和の歌』(1950)、『ふるさとから』(1951)などの豊富な感受性と想像力を示す詩集、『今日もなおアトランティスに日は沈む』(1956)などの戯曲未完の回想記や童話のほか、小説、エッセイ、翻訳劇の脚色など多方面にわたっている。

飯島 周]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネズバル」の意味・わかりやすい解説

ネズバル
Nezval, Vítězslav

[生]1900.5.26. ビスコウプカウトシェビーチェ
[没]1958.4.6. プラハ
チェコの詩人。チェコのシュルレアリスムの代表者の一人。詩集『エジソン』 Edison (1928) ,『さよならとハンカチ』 Sbohem a šáteček (34) などの作品は彼が主張したポエティズムの傾向をもっている。第2次世界大戦後は社会主義的傾向を示した。詩集のほか,前衛芸術理論や,翻訳詩劇『マノン・レスコー』 Manon Lescaut (40) ,未完の回想記『私の生涯から』Z mého života (59) などがある。

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