日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲシュタポ」の意味・わかりやすい解説 ゲシュタポげしゅたぽGestapo ドイツ語 ナチス・ドイツの国家秘密警察Geheime Staatspolizeiの略称。1933~34年ゲーリング、ヒムラーによって設けられた政治警察で、のちに親衛隊(SS(エスエス))の「保安隊」(SD(エスデー))に統合された。その任務は政治犯の追及、つまりナチス国家に対する事実上の、あるいは潜在的な敵の摘発にあったので、法律を無視し、容疑者を強制収容所に拘禁し、拷問を加え、処刑すらした。この意味でナチス支配を支えた重要なテロ装置の一つであった。[吉田輝夫][参照項目] | ナチス 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲシュタポ」の意味・わかりやすい解説 ゲシュタポGestapo ナチス・ドイツの秘密国家警察 Geheime Staatspolizeiの略称。 1933年ナチスの政権樹立後,H.ゲーリングによってプロシア州に創設された。 34年 H.ヒムラーが長官となり,以後,ドイツ全土に組織を拡大。密告政策と弾圧政策を併用して反対者に対する徹底的弾圧を行い,特にユダヤ人,マルクス主義者を圧殺して,大量虐殺の一翼をになった。SS (ヒトラー親衛隊) ,強制収容所とともに,ナチス政権独裁の最も野蛮な暴力組織。 36年 SSの一組織である保安警察 SDと一体化され,第2次世界大戦中は占領地のユダヤ人,抵抗運動者,捕虜などに対する最も残忍な取締り機関となった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報