スキー用ストックを改良した2本の専用ポール(ノルディックウォーキングポール)を使用して行う、歩行運動の一種。スキーウォーク、ポールウォーキングともいう。歩くときに踏み出した前足と後足の中間から後方ぎみの位置にポールを突き、地面を押すように力を入れるのが基本的な歩き方で、これにより前方への推進力が生じ、下肢の負担を減らすことができる。ポールを突くことで、腕だけでなく腹筋や背筋など体幹の筋力も使われるため、酸素摂取量やエネルギー消費量が増え、通常のウォーキングよりも運動効果が高められる。また、ポールを使用することで膝関節(しつかんせつ)や脊髄(せきずい)への負担を軽減できるため、体重の重い人や下肢に障害のある人、筋力の衰えた高齢者などの歩行を補助する効果もある。ノルディックウォーキングポールは、手の甲を覆って包むような形状をしたストラップがついているため手を離しても落ちることはなく、先端には衝撃の緩和や滑り止めのためにゴムのカバーがつけられている。
ポールを使った歩行運動は、スキーのノルディック競技の一つであるクロスカントリーの選手が夏期に行うトレーニングとして、1930年ごろからフィンランドで導入されていた。これが通常のウォーキングと比較して効果的な全身運動であることが注目されるようになり、1997年にスキーストックメーカーから専用のポールが発売されると、フィンランドからヨーロッパ諸国へと急速に広がった。ノルディックウォーキングという名称はこのころに生まれたとされている。日本でも、1980年代からストックを使った歩行運動がさまざまな名称で紹介されてきたが、定着しなかった。しかし2000年(平成12)以降、生活習慣病予防や有酸素運動の普及、介護を必要としない健康寿命などが注目されたことがきっかけとなり、愛好者が増えている。
[編集部]
(2014-9-8)
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