健康寿命(読み)けんこうじゅみょう(英語表記)healthy life expectancy

日本大百科全書(ニッポニカ)「健康寿命」の解説

健康寿命
けんこうじゅみょう
healthy life expectancy

人が心身ともに健康で自立して活動し生活できる期間。平均寿命が、この世に生を受けてからどれだけ生きられるかという個体の命の長さを表すのに対して、健康寿命は、クオリティ・オブ・ライフという考え方に根ざして、人がどれだけ健康で豊かに生きられるかを表す指標といえる。「健康で自立して活動し生活できる期間」とは、具体的には、自力で食事、排泄(はいせつ)、入浴、更衣、移動などの日常生活動作(ADL:activities of daily living)が可能で、かつ認知症などを伴わずに自分の意思によって生活できる期間と考えてよい。厚生労働省は2016年(平成28)の健康寿命を、男性72.14歳(平均寿命80.98歳)、女性74.79歳(同87.14歳)と試算している。

 また世界保健機関(WHO)は、健康障害のために寝たきりとなった期間や、自立できず介護を受けた期間などを調整した障害調整平均余命(DALE:Disability-Adjusted Life Expectancy)を提示し、これを健康生活の新しい指標とするよう提案している。DALEは健康寿命のより広い概念といえ、健康余命と障害調整生存年数(障害調整生命年、DALY(s):Disability-Adjusted Life Years)をあわせて考える。健康余命とは、健康で自立した生活があとどれくらいの期間継続できるかを示し、DALY(s)とは、早死にすることで失われた損失生存年数(YLL:Years of Life Lost)に、障害などで失われた健康的な生活の年数(障害生存年数、YLD:Years Lost due to Disability)を加えた指標である。出生時における健康余命がすなわち健康寿命で、日本の健康寿命は調査対象とされている国のなかで最高位に位置している。この健康寿命を80歳までのばすことを目的に「日本健康促進医学会」が組織され、予防医学的見地に立って研究や実践方法の開発を行っている。

[編集部 2022年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉「健康寿命」の解説

けんこう‐じゅみょう〔ケンカウジユミヤウ〕【健康寿命】

平均寿命のうち、健康で活動的に暮らせる期間。WHO(世界保健機関)が提唱した指標で、平均寿命から、衰弱病気痴呆などによる介護期間を差し引いたもの。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

景気ウォッチャー調査

内閣府が2000年1月から毎月実施している景気動向調査。生活実感としての景況感を調査するのが狙い。具体的にはタクシーの運転手、小売店の店長、娯楽施設の従業員、自動車ディーラー、派遣従業員、設計事務所所...

景気ウォッチャー調査の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android