ハカシア(読み)はかしあ(英語表記)Хакасия/Hakasiya

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハカシア」の意味・わかりやすい解説

ハカシア
はかしあ
Хакасия/Hakasiya

ロシア連邦に属する共和国。ロシア中部、シベリア南部、エニセイ川上流西岸に位置する。面積6万1900平方キロメートル、人口56万8800(2003推計)。首都アバカン。人口17万2100(2003推計)。領域の3分の2は山地で、厳しい大陸性気候である。平均気温は1月零下21~零下15℃、7月17~20℃。年降水量は300~700ミリメートル。

 1930年クラスノヤルスク地方に属するハカス自治州Хакасская Автономная Область/Hakasskaya Avtonomnaya Oblast'として設立され、その地位を保ってきたが、ソ連崩壊(1991年12月)直前の91年7月ハカシア自治ソビエト社会主義共和国に昇格、崩壊後の92年2月ハカシア共和国Республика Хакасия/Respublika Hakasiyaとなった。1989年国勢調査による民族構成は、ロシア人(45万0430、79.5%)、ハカス人(6万2859、11.1%)が主である。ハカス人はチュルク語系(トルコ語系)民族である。

 ハカシア西部は、世界有数の炭田の一つクズバス炭田の一部をなしており、石炭採掘が盛ん。そのほか、鉄鉱、非鉄金属鉱、大理石の採掘なども行われている。工業では、軽工業毛織物皮革)、機械(車両、コンテナ、クレーン車製造)、非鉄金属(アルミニウムモリブデン)、林業、木材加工、食品加工。農業は、穀物栽培(おもに小麦など)。乳・肉用牛、ヒツジ飼育も行われている。

[上野俊彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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