バルアミー(その他表記)al-Bal`amī, Abū `Alī Muḥammad ibn Muḥammad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルアミー」の意味・わかりやすい解説

バルアミー
al-Bal`amī, Abū `Alī Muḥammad ibn Muḥammad

[生]?
[没]974
イランの政治家,歴史家。父アブル・ファズル・ムハンマド (?~940) は,サーマン朝宰相。バルアミーもサーマン朝に仕え,アブドゥル・マリク1世 (在位 954~961) およびマンスール1世 (在位 961~976) の宰相をつとめた。 963年にマンスール1世よりタバリーの歴史の翻訳を命じられて著わした『バルアミーの歴史』 Tārīkh-i Bal`amīは,842年にいたるまでのタバリーのアラビア語著書抄訳であるが,近世ペルシア語による最初の散文作品の一つとして,また以後一連のすぐれた歴史著述のさきがけとして重要な意義を有する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バルアミー」の意味・わかりやすい解説

バルアミー
ばるあみー
Abū ‘Alī Bal‘amī
(?―974)

ペルシアの政治家、歴史家。サーマーン朝のマンスール王(在位961~976)の宰相を務め、勅命により歴史家タバリーのアラビア語史書『諸預言者と諸王の歴史』をペルシア語に取捨選択して抄訳し、『バルアミーの歴史』として知られる。ペルシア語最古の散文作品の一つ。文体は平易、簡素で、現在では史料的価値よりも文学史、語史研究のための貴重な資料となっている。

[黒柳恒男]

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