改訂新版 世界大百科事典 「バルメン宣言」の意味・わかりやすい解説
バルメン宣言 (バルメンせんげん)
正式には〈ドイツ福音主義教会の現状に対する神学的宣言〉。ヒトラー政権の教会への干渉に抗して起こった〈告白教会〉が,1934年5月にドイツ西部のバルメンBarmenで第1回告白教会全国会議を開き,そこで採択された。草案はK.バルトを含む3人の起草委員によって書かれたが,6項目より成り,国粋主義的な〈ドイツ・キリスト者〉の神学的逸脱をしりぞけつつ,宗教改革の神学に根ざして,教会と国家の関係その他の聖書的諸真理を展開している。この宣言に対しては,発表当時からさまざまな批判はあるが,戦後の〈ドイツ福音主義教会〉は,その基本法において,そこに述べられた事柄の普遍的真理性を承認している。
執筆者:井上 良雄
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